樹海から富士山を夢見て

生化学を学んでいる大学院生です。研究生活の日々で感じたことを記します。

博士課程に行くべきか?

博士課程に行くべきか、ずっと悩んでいる。


私の今の目標は、製薬企業の研究者となること。


企業によって、採用において博士重視や研究分野重視とか、あるいは採用後に博士を重宝するかしないか、とかはあるでしょう。それは調べなければならないけど、置いといて。



まず、1点目として重要であることは、修士卒と博士卒で、どちらが製薬に就職出来る確率が高いのか?ということだろう。


製薬に就職できる確率が変わってくる、ということに対しては、私は懐疑的である。つまり、博士課程に進んだからといって、製薬に就職できる確率は上がらないのではないかと感じている。

なぜなら、何歳になろうが自分の本質はそこまで変わらないだろうと思っているから。研究は頭の中で行うものだけれど、自分の思考回路の根本が劇的に成長することはないと思う。少なくとも僕の思考回路は、多分小学生くらいからあまり変わっていない。虫とか機械とか未知のものに好奇心が強くて、それでとことん調べて、(人と違う)何かを発見するのが好きだった。今まで結構ストイックに色々な環境に身を置いてきたつもりだけど、結局今も僕はそんな感じ。博士課程に進んで得られる思考回路といっても、枝葉の経験とか知識とかが多いんじゃないのかな?そういった枝葉の成長うんぬんがあったとして、それが面接で表に出てくるのかな?


今いる研究室はとても居心地が良い。先生は僕のことをある程度信頼してくれて、好きなことをさせてくれる。今のテーマにもそれなりの愛着がある。今の研究成果を使って博士の卒業要件は満たせそうだし、もしかしたらさらに1、2本の論文も書けるかもしれない。博士という学位をとるならば、最適の環境である。

しかし、である。ラボの規模、資金力で見劣りしてしまう。今後経験できることも、ある程度算段がついてしまう。大きな成長はあるのかな?もしくは、1年間留学とかに行けば良いのかもしれない。


では逆に、どうしたら製薬に就職できる確率は上がるのだろうか?

それはおそらく、環境を抜本的に変えることなのではないだろうか。前述の思考回路の根本を変えるためには、国とかラボの規模とかが全く違う環境に身をおいたら良いのではないか。圧倒的な資金力や技術力を前にすれば、研究者としての考え方も変わってきそう。そうしたら、大きな成長ができるかもしれない。



2点目に重要なことは、博士の学位を持っていた方が、就職後に活躍する機会が多いのか?ということだろう。

企業によるだろうけれど、これは正しいと思う。特に海外の研究者とやりとりするならば、学位はとても重要だと思う。



以上より、道は二つに絞られたと思う。

①修士卒で就職する。

②博士課程で他のラボに行く。


そして僕は、多分活躍とかにはあまり興味がない。今の生活投げ打ってまで、異国での成長を期待する覚悟が今はできていない。だから博士で海外の大学に行きたいとも思わない。かといって今のラボにいても、圧倒的成長はないだろう。

だから、製薬に行けるかは分からないけれど、修士卒で審判を仰ごうかなと今は思っている。


(と思うと同時に、一度きりの人生なんだから、強い道を選んでみても良いのではないか、とも思ってしまう…)

 

学部4年〜修士にかけて、研究テーマ立案、実験構築、学会発表、論文作成の一連のプロセスを経験できたことは、とても良い成長機会だったし、先生には感謝しなければいけない。しかし、いずれにせよ、心を鬼にしてこの居心地の良い環境から抜け出すべきなのかもしれない…